Patrice Leconte 歓楽通り

歓楽通り
東京ウエスティンホテル
2003年1月8日
パトリス・ルコント監督

PatriceLeconte
1947年パリ生まれ。婦人科医師の父の映画好きに影響され、13歳の頃から映画館に通う。67年にIDHECで監督科を選考し、自主製作の短編映画を数 多く監督。卒業後は漫画雑誌のアシスタントを経て漫画家として活動する。72年に映画界に復帰。その後数々の作品を監督し、『仕立屋の恋』、『髪結いの亭 主』でルコント人気を不動のものにした。

ルコント作品と言えば、美しいヒロイン達が際立つが、本作のファム・ファタルにはイヴサン・ローランのミューズでもあるレティシア・カスタが抜擢された。 「随分前にフランスのテレビ番組のゲストとして彼女が出演していたのを見ました。とても自然でとても素晴らしい女性だと思いました。以来、彼女のことが頭 の中の引き出しにあって、今回の『歓楽通り』の企画が持ち上がったときに直感的に彼女を起用しようと思いました」と、監督。

レティシア・カスタの劇中での歌唱シーンについては、「別の人が歌ってもいいし、彼女自身が歌っても良いと伝えてあったのですが、彼女が歌いたいと希望し たので一度歌ってもらいました。しかし、初めはひどいものでした(笑)。それでも彼女が歌いたいと望んだので2ヶ月のレッスンを経て歌ってもらいました。 ただ、マリオンはこれから舞台で歌うようになる駆け出しの新人ですから、歌が特別上手い必要もないので、これで良かったのです」

また、レティシア・カスタは撮影中に妊娠し一児の母となったのだが、それについては面白い事実が発覚した。「彼女は撮影中は母親ではありませんでした。撮 影中に妊娠したのです。面白い話なのですが、私の撮る作品の撮影中に多くの女性が妊娠しています。『橋の上の娘』のヴァネッサ・パラディや『サン・ピエー ルの命』のジュリエット・ビノシュが撮影中に妊娠しました。ちなみに父親は私ではありません!!(笑)」

監督の作品傾向としては、破滅の愛や叶わぬ恋がテーマになっていることが多い。本作でも実らぬ恋を追い続ける男の姿が描かれている。そのためマスコミ陣の 質問も監督の恋愛観に集中した。「私自身見返りも求めず、一方方向に想う恋愛の形に感動します。とはいえ、実体験で成就しない恋愛は耐えられないもので す。しかし、これは映画です。様々な感情を強調して描くことができるのが映画なのです」 と、実生活と映画の間に明確な境界線を持っていることが読みとれる。

映画に夢と非日常を求める監督。だからこそ、私たちがあっと驚くような甘く切ない映画を撮り続けることができるのにちがいない。恋の刺激をもらうなら、やっぱりルコント作品!なのである。

About the author: admin